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SMART DRIVER FORUM イベントレポート 01 トークショー編

2018年3月1日。虎ノ門ヒルズ ホールB。「交通安全はこのままでいいのか?」そんな問いかけに答えるべく、交通安全を最高に面白く語る最強のスピーカーが集った<SMART DRIVER FORUM>が、無事に終了いたしました。12年目のスマートドライバー。最初にして、最大の挑戦であったこのフォーラムの様子をレポートします。

 

オープニング


開場。既に熱気に包まれる場内。日本全国のスマートドライバー賛同者だけでなく多種多様な業界から来場者が集まり「新交通安全創造力の時代」を考えた。

 

司会の山名清隆氏と、萩尾友樹氏。会を通して二人の軽快なトークが冴えた。

発起人 小山薫堂氏の登場。柔らかい口調で今日の趣旨を説明した。

ゲストスピーカーの起業家の家入一真氏。予防医学研究者の石川善樹氏も登壇。

 

キーノートスピーチ「都市に大きな物語を描く方法」


今回のメインスピーチとして登場したのは、元ダウンタウンブルックリンパートナーズ代表のタッカーリード氏。あのニューヨーク州・ブルックリンの街作りの旗手として活躍し、わずか5年で荒廃した街を、世界が憧れる街へと変えた男の登場です。今回は「都市に大きな物語を描く方法」と題し、都市計画と交通安全を絡めスピーチした。交通安全とまちづくりは、遠いように見えるが、どちらも本来は市民が楽しんで行動するものという共通点がある。ブルックリンを再生したその事例を見せながらどのようにスマートドライバーへ活かせるかを語ってくれた。

 

プレゼンテーションラッシュ


その後は、各業界のスペシャリスト達が、各々の視点から交通安全について語った。

泉山塁威 / タクティカル・アーバニスト都市戦術家
パブリックスペースのスペシャリストは交通安全をどう見るのか?「道路と人の共存。車も人もお互いを理解しあって譲り合うことでよりより公共空間を作れるということ。元から日本は公共空間を上手く利用できていた事例があった。屋台や納涼床など、堅苦しくなく、自然と利用してしまうようなスペースをつくることで、人が集まり、自分たちでスペースを活用していくようになる」と泉山氏。

 

森口将之 / モビリティジャーナリスト日頃から世界を渡り歩き、乗り物の最前線を知るモビリティジャーナリストの森口さん。「<道路は誰のものなのか」>もはやクルマだけのものではない。日本は先進国の中で1番交通事故での歩行者の死亡率が高い。世界のさまざまな思いやりのある道路や橋、標識、を紹介。人を思いやる心で交通安全を考えていく」と語ってくれた。

中島宏 / DeNA オートモーティブ事業本部 本部長オートモーティブの最先端をいくDeNAの中島氏。「モビリティのすごさについて。車が普及したことによる生活水準の上昇の効果はすごかった。2020年以降にかけて、第二次モータリゼーションがおこるのでは?と予想。日本におけるモータリゼーションについてのお話。経済的な視点から交通安全を考えていく。事業を通じて、問題解決を提案したい、あらゆる人やものが安心安全に移動できる世界へ。」と語った。

森山誠二 / 国土交通省道路局環境安全課長
ここで民間から、行政の視点へ移る。国土交通省の森山氏。「国土交通省の取り組み。最近の交通事故死者数はどんどん減ってきている。ただ、生活道路での事故が減らない。通学児童が事故にあうような悲しい事故がなくならない。新しいETC2.0は、搭載された車の、急ブレーキをかけた回数やスピードを出している道などのデータを記録することができる。そのデータは通称「ビッグデータ」。ビッグデータを集めることによって、どこでどんな事故が起きやすいのかを把握することができるようになった。そしてその情報を地域や学校などに共有して対策をねることができるようになった。」と。

 

長谷川哲男 / 日産自動車(株)グローバル技術渉外部
自動車メーカーからもスピーカーが登場。日産自動車の長谷川氏。おもいやりライト運動とは、暗くなり始めたら早めにヘッドランプをつけてもらう運動。ただ、日本では勿体無い精神からかなかなか普及しない。夕方の事故をなんとか減らしたい。車だけでのことだけではなく、人もおもいやりをもって、見るライト、見られるおもいやりのライトを、を目指している。その中でスマドラと出会った。市民会議などの人と人とのコミュニケーションによって、おもいやりの活動が全国に広がっていった。人の繋がりによって分野も広がり、できることも増えていった。いずれはそれが渦となって、大きなことを成し遂げられるようになりたい」と語った。

 

片山英資 / 福岡スマ―ドドライバー代表ツタワルドボク代表
スマドラで人生を変えた男、片山さん。元々道路を作る普通の土木技術者だった。現場に行った際にスマドラの活動を目にし、一念発起。福岡でスマドラを広めたくなった。スマドラの活動を広めていく中でスポットをあび、自分でもこんなことができるのか!と自信にもつながった。災害などのときに誰よりも率先して働く土木技術者をもっと有名に人気にしたい、自分がなんとかしなきゃと決意。道路や土木に新たな価値観をもってもらいたい!と、学生にむけてワークショップを行ったりしている。」

浪川和大 / 警視庁 交通部 交通規制課
そして、警視庁からの登壇も。「都内の3分の1が自転車事故。なくすためには?日本は自転車が歩道を走ることに慣れてしまったために、車道を走らなければいけないことになかなか慣れない。ここは自転車が走るんだ、というマークを道路に設置することによって、人から車からの認識、自転車に乗っている人へのアナウンスになるのでは、という取り組みをしている。そして、自転車を取り巻く環境をもっと考えていこうと、「みん転」を開催する」と浪川さん。

 

ホメパト中継


プレゼンラッシュの途中には、六本木のメルセデスの情報発信拠点「Mercedes me」から、スマートドライバープロジェクトの象徴でもある「ホメパト(褒めるパトカー)」の中継が入る。自動車に造詣の深いタレントの吉田由美さんが、ホメパトの活動や、歴史についてレポートしてくれた。

 

 

ディスカッションタイム


その後は、小山薫堂氏、家入一真氏、石川善樹氏を交え、ディスカッションタイム。の前に、ここで「飛び入り参加」でスピーチをする首都高速道路株式会社の清水さんが登場!

清水実 / 首都高速道路 技術コンサルティング部
「海外でのスマドラ活動報告。タイは交通事故数世界でワースト2位。タイでスマドラの活動は人気。グッズもできているそう。大臣も車にステッカー貼ったり。」との事。
プレゼンテーション9人のお話を聞いて、発見したことや学びをトークで共有していく3名。

まず、石川氏からの導入で、そもそも「スマート」と「ドライバー」とは何か、という本質的な部分のお話が飛び出す。石川氏曰く、スマートとは「鋭い波」という、切り込んでいくような意味がある、ということ。ドライバーとは、単に車などを運転する人のことを指す言葉ではなく、「動かす人」という意味ではないか、と語っていた。その「動かす」とは、世の中に流れを作ったり、風を吹かせたりするということで、そういった意味では、「車を運転しない家入さん(免許を持っていないそう)も立派なドライバーだ。」という結論に至った。


3人とも、「スモールアクションのもつパワーの大きさ」について今回のプレゼンラッシュの中で共感、実感を感じたという。日産の長谷川氏が紹介したおもいやりの呼びかけを何十年も続けているように、小さなことを長く続けていく難しさと、その結果の大きさはまるで「水滴が落ち続けて岩に穴を開けるようだ」と石川氏と小山氏は語る。小さなことを続けていくには、目に見える実感がないと難しい、と小山氏。

そんな中で家入氏のクラウドファンディングの話になった。クラウドファンディングはいわゆる実感が、集まったお金という形でわかりやすく目に見える。「1/3の法則」を家入氏。目標金額の最初の1/3は知人友人家族などの近しいひとたち。次にくる1/3はその人たちの周りのひとたち。最後は、2/3まできていることを見ての全く関係のないひとたちだという。最初は小さな範囲でも、目に見えてくることによって新しい範囲に広がっていく、ということらしい。

タッカー・リード氏のやり方について、タッカー氏も交えて四人でトークをした。タッカー氏は「NO」などのネガティブなワードは企画するときに一切使わず、多少強引でも話を進めていくらしい。三人は感心し、最初に決定したという程で話を進めていくということは新しいことを始めるには重要なことだ。しかし、誰かが手を上げて発言すること、声をあげることによって周りを巻き込んでいけることは単純で大切だけど難しいと三人は語る。石川氏は、片山氏が土木技術者の中で声をあげてみんなを引っ張っていったことを絶賛していた。二人も共感し、「ミスター片山」と呼んでいた。

家入氏は自身が都知事選に立候補したときのお話をしてくれた。今のひとがなぜ政治に意見しないといわれているかというと、「声を上げたところで何にもならない、届かない」という流れが見えてしまっているからだという。そこで、twitterを利用して、小さなことでもなんでも生活の不満や思っていることを投稿してもらい、それを反映したマニフェストを掲げた。結果は残念だったが、声を上げてもいいんだという場所や環境を提供すれば、意外とひとは声をあげてくれることがわかった。

交通安全も、小さなことの積み重ねがよい環境に繋がっていく。ただそれは「道路は誰のものなのか」というキーワードのように、車や運転者だけではなく、ひとや街がみんなでつながって理解しあわなけらばならない。今日のフォーラムがそのきっかけやつながりになってほしいと、小山氏が締めくくった。

 

クロージング


みなさまのご協力のもと、イベントは大成功で終えることができました。スマートドライバープロジェクト12年間の集大成。そして新しい始まりとして相応しい。今後はどんなコラボレーションが生まれていくのか、期待が大きく膨らむイベントでした。

 

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